医師監修記事

お腹が空かなくなるから無理なくダイエットできる!
監修医師:野間直樹 / メディカルダイエット GLP-1とは何か? GLP-1ダイエットは『GLP-1受容体作動薬』というお薬を取り入れたダイエットのことを指します。ダイエットしようと思い立ったけど、途中でやめてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか? GLP -1は主に下図のような3つの働きをもちます。 脳に働き、満腹感を持続させ、間食や食べ過ぎを無理なく防止。 胃に働き、胃や腸の動きを緩やかにすることで消化をゆっくりとし空腹感を感じにくくなる。 膵臓に働き、血糖上昇時のみインスリン分泌を促し、急激な血糖の上昇を防止。 GLP-1受容体作動薬は血糖値が上がった時にインスリン分泌を促して血糖を下げてくれる働きがあることから2型糖尿病の治療として世界中で使用されていましたが、どんどん研究が進んでいくごとに2型糖尿病患者さんの体重減少に大きく効果があることがわかり、糖尿病患者さんだけでなく、アメリカやEU加盟国で『抗肥満薬』としてダイエット目的で使用されるようになりました。この抗肥満効果をもつGLP-1の効果を利用して、おこなうダイエット方法が『GLP-1ダイエット』と呼ばれ、近年日本でも認知が広がっています。 他にもGLP-1は様々な臓器に働きかけることによって(下図:1*)ダイエットを手助けします。例えば、肝臓に働いて脂肪肝のリスクを減少させたり、白色脂肪組織に働いて脂肪細胞の分解を促したり褐色脂肪組織に働いて代謝の上昇を促したりする、と言われています GLP-1のはたらき イーロンマスクも、GLP-1で13.6kg痩せた! あの有名なイーロンマスクが、オゼンピックを使用し13.6kgもの減量に成功し、話題になりました。 最近ではこの様にアメリカではセレブがGLP-1受容体作動薬を使用した減量を公開して話題になっています。残念ながら、GLP-1受容体作動薬を使用した医療ダイエットは日本ではまだ承認されておらず、保険適応ではありません。しかし日本でもGLP-1受容体作動薬の体重減少効果は認められており、現在は2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。なかなか『肥満』といった疾患概念が日本人には身近ではないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパでは肥満による心血管リスクなどの上昇を強く問題視しています。そのため、GLP-1受容体作動薬を『抗肥満薬』として、アメリカ、EU加盟国28ヵ国では保険治療として認めています。 世界のGLP-1ダイエット目的使用 臨床試験と承認の歴史 下記の図は英科学雑誌Natureの記事より抜粋です。 1980年代にGLP1が発見されて以降、糖尿病治療薬としての研究が盛んに行われてきました2000年代に入り、米国食品医薬品局(FDA)はGLP-1受容体作動薬を2型糖尿病の治療薬として承認し始めましたが、科学者らは臨床試験の参加者で体重減少を認めていることに気づいたため、やがて減量を目的とした臨床試験が各社で行われるようになりました。 2010年代半ばには、そのひとつであるリラグルチド(サクセンダ)の治験において、参加者が平均約8%の体重減少を認めました。そのため、2014年にはFDAでリラグルチド(サクセンダ)が医療ダイエット目的として承認されています。また、その後セマグルチド(オゼンピック)も2型糖尿病の治療薬として承認されましたが、治験ではリラグルチド同様に参加者の体重減少を認めております。このように、日本では未だ承認されていないGLP-1ダイエットですが、世界中で使用されて、多くの臨床試験が行われている医薬品となります。(オレンジの点:アメリカの抗肥満薬の臨床試験、青の点:承認)(2*) GLP-1ダイエットには飲み薬がある!効果は?飲み方は? GLP-1ダイエットには「リベルサス」という内服薬があります。用量は3mg・7mg・14mgの3種類あります。元々、セマグルチド(リベルサスの主成分)は分子量が大きく、胃での吸収が難しく、内服薬には向いていませんでした。しかし、注射薬が苦手な方や、注射投与が困難な方には内服薬が必要であると開発されたのがリベルサスです。日本では2020年に2型糖尿病薬として承認され、2021年2月に販売が開始されたお薬です。主成分のセマグルチドは注射薬のオゼンピックと同じ主成分です。 リベルサスの飲み方は? 注射のGLP-1(サクセンダ・オゼンピック)と内服薬(リベルサス)の大きな違いは、投与方法にルールがあるという点です。注射は時間や食事に左右されずに投与することが可能ですが、リベルサスは内服のルールを守らないと効果がかなり落ちてしまうお薬になります。 リベルサス内服時のルールは以下の2つです。 空腹時(起床時)に少なめの水(約120ml)で内服する 内服後、最低でも30分空腹時間を継続する 胃の中に食べ物や飲み物があると、リベルサスの吸収が十分できないので必ず内服方法を守って内服してください。また、上でも記載したようにリベルサスは胃で吸収できるように工夫され、開発されたお薬です。噛み砕いて内服したり、2錠同時に内服するのも禁止されていますので注意してください。...
お腹が空かなくなるから無理なくダイエットできる!
監修医師:野間直樹 / メディカルダイエット GLP-1とは何か? GLP-1ダイエットは『GLP-1受容体作動薬』というお薬を取り入れたダイエットのことを指します。ダイエットしようと思い立ったけど、途中でやめてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか? GLP -1は主に下図のような3つの働きをもちます。 脳に働き、満腹感を持続させ、間食や食べ過ぎを無理なく防止。 胃に働き、胃や腸の動きを緩やかにすることで消化をゆっくりとし空腹感を感じにくくなる。 膵臓に働き、血糖上昇時のみインスリン分泌を促し、急激な血糖の上昇を防止。 GLP-1受容体作動薬は血糖値が上がった時にインスリン分泌を促して血糖を下げてくれる働きがあることから2型糖尿病の治療として世界中で使用されていましたが、どんどん研究が進んでいくごとに2型糖尿病患者さんの体重減少に大きく効果があることがわかり、糖尿病患者さんだけでなく、アメリカやEU加盟国で『抗肥満薬』としてダイエット目的で使用されるようになりました。この抗肥満効果をもつGLP-1の効果を利用して、おこなうダイエット方法が『GLP-1ダイエット』と呼ばれ、近年日本でも認知が広がっています。 他にもGLP-1は様々な臓器に働きかけることによって(下図:1*)ダイエットを手助けします。例えば、肝臓に働いて脂肪肝のリスクを減少させたり、白色脂肪組織に働いて脂肪細胞の分解を促したり褐色脂肪組織に働いて代謝の上昇を促したりする、と言われています GLP-1のはたらき イーロンマスクも、GLP-1で13.6kg痩せた! あの有名なイーロンマスクが、オゼンピックを使用し13.6kgもの減量に成功し、話題になりました。 最近ではこの様にアメリカではセレブがGLP-1受容体作動薬を使用した減量を公開して話題になっています。残念ながら、GLP-1受容体作動薬を使用した医療ダイエットは日本ではまだ承認されておらず、保険適応ではありません。しかし日本でもGLP-1受容体作動薬の体重減少効果は認められており、現在は2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。なかなか『肥満』といった疾患概念が日本人には身近ではないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパでは肥満による心血管リスクなどの上昇を強く問題視しています。そのため、GLP-1受容体作動薬を『抗肥満薬』として、アメリカ、EU加盟国28ヵ国では保険治療として認めています。 世界のGLP-1ダイエット目的使用 臨床試験と承認の歴史 下記の図は英科学雑誌Natureの記事より抜粋です。 1980年代にGLP1が発見されて以降、糖尿病治療薬としての研究が盛んに行われてきました2000年代に入り、米国食品医薬品局(FDA)はGLP-1受容体作動薬を2型糖尿病の治療薬として承認し始めましたが、科学者らは臨床試験の参加者で体重減少を認めていることに気づいたため、やがて減量を目的とした臨床試験が各社で行われるようになりました。 2010年代半ばには、そのひとつであるリラグルチド(サクセンダ)の治験において、参加者が平均約8%の体重減少を認めました。そのため、2014年にはFDAでリラグルチド(サクセンダ)が医療ダイエット目的として承認されています。また、その後セマグルチド(オゼンピック)も2型糖尿病の治療薬として承認されましたが、治験ではリラグルチド同様に参加者の体重減少を認めております。このように、日本では未だ承認されていないGLP-1ダイエットですが、世界中で使用されて、多くの臨床試験が行われている医薬品となります。(オレンジの点:アメリカの抗肥満薬の臨床試験、青の点:承認)(2*) GLP-1ダイエットには飲み薬がある!効果は?飲み方は? GLP-1ダイエットには「リベルサス」という内服薬があります。用量は3mg・7mg・14mgの3種類あります。元々、セマグルチド(リベルサスの主成分)は分子量が大きく、胃での吸収が難しく、内服薬には向いていませんでした。しかし、注射薬が苦手な方や、注射投与が困難な方には内服薬が必要であると開発されたのがリベルサスです。日本では2020年に2型糖尿病薬として承認され、2021年2月に販売が開始されたお薬です。主成分のセマグルチドは注射薬のオゼンピックと同じ主成分です。 リベルサスの飲み方は? 注射のGLP-1(サクセンダ・オゼンピック)と内服薬(リベルサス)の大きな違いは、投与方法にルールがあるという点です。注射は時間や食事に左右されずに投与することが可能ですが、リベルサスは内服のルールを守らないと効果がかなり落ちてしまうお薬になります。 リベルサス内服時のルールは以下の2つです。 空腹時(起床時)に少なめの水(約120ml)で内服する 内服後、最低でも30分空腹時間を継続する 胃の中に食べ物や飲み物があると、リベルサスの吸収が十分できないので必ず内服方法を守って内服してください。また、上でも記載したようにリベルサスは胃で吸収できるように工夫され、開発されたお薬です。噛み砕いて内服したり、2錠同時に内服するのも禁止されていますので注意してください。...